忍び手裏剣と、人妻のスマートフォン 忍びながらの浮気

投稿日:2015年2月21日 更新日:




敵に襲われてもこの手裏剣さえあれば。
手裏剣は積極的に敵を攻撃するためのものではない、襲撃された時に相手を威嚇して逃げる時間稼ぎをするもの。

手裏剣を全て放ってしまったら最後、自分の命を守る最後の砦がなくなってしまう。

誰かに雇われて情報収集をするのが忍びの仕事、命の危険に巻き込まれるのは日常のこと。
重いから2枚だけしか持ち歩かないが、威力を考えると鉄製の手裏剣が最適。

握り締めるだけで命の安心を感じる、忍び仕事に手裏剣は手放せないよ。

事情によって情報収集ができず逐電したり、逆に調査先に買収されることも珍しくはない。

最後は手裏剣に自分が守られていると思えば主の浮気でもできる。

それが忍びだ。

人妻はポケットのスマートフォンを握り締め、安心を感じていた。
これさえあれば浮気相手と連絡を取れるわ、溢れる情報量に隠してやりとりをしているから夫に見つかるはずもない。

普通に電話やメールなんてしない。

SNSにログインした後の直接チャット機能を使って密かに連絡を取り合う。

ログアウトさえしておけば絶対にばれないツール。

スマートフォンがなかったらいつどこで会えるの?

忍ぶ関係をスマートに楽しむには必須ね。

人生のイタズラ。忍びの手裏剣と人妻のスマートフォンが入れ替わってしまうという珍事が起きたのも不思議ではないでしょう?

何があっても事実は変えられないから、何故?と問いかけること自体がナンセンス。

忍びは喜んだ。

スマートフォンのアプリで地図や天気が正確に分かるし、上忍へすぐに報告ができる。

盗撮も録音も思いのまま、電源確保だけさえ気をつければ忍び働きには最適の忍具、鬼に金棒とは正にこのこと。

ただ、手裏剣がないことでどうしても腰が引けてしまう。

スマートフォンは攻めるには良いツールだが、命を守る機能はない。

いざ敵に囲まれた時、スマートフォンが命を守ってくれるだろうか?

忍びはとうとう降参した。

あぁダメだ、ポケットの手裏剣がなくては忍びとして十分な働きができない。

攻めの能力には特化できたが、命の保険なしの危険過ぎる賭けは長くは続けられない。

反対に手裏剣なんて忍び以外が持ったとしても、活かすことなんてできないだろう。

なぁ、頼むから俺の手裏剣を返してくれよ。

人妻は入れ替わったポケットの中身を見て驚いた。

スマートフォンから手裏剣?

こんなの浮気に役立つはずがないじゃない。

浮気相手と連絡を取り合う手段を奪われてしまった。

仕方なく、毎週同じ曜日の同じ時間に、同じ場所で会う約束にした。

毎日の密かな楽しみがなくなった。

目につかない所で隠れて行うメッセージのやりとりはもうできないの。

週に一度のあの時間をひたすら待つ一定のリズム、なんだか古い逢引きに戻ったみたいだけど、逆に新鮮ね。

合言葉は手裏剣、これこそ他人にバレることのない浮気。

スカートではなくパンツルックを好むようになった。

ポケットの手裏剣をそっと握れば、彼とのセックスを思い出して、裏腹のスリルに少し濡れてしまうの。

忍びながらの浮気ね、スマートフォンで毎日少しずつ楽しむのが心地良いって思っていたけど、

昔に遡っての手裏剣が案外浮気には似合う。

この手裏剣と交換で、私のスマートフォンを手にした人がいるということになるのかな。

昔の人が持ったのなら、さぞかし楽しい浮気生活を楽しめるのではないのかしら?

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