直前割引の日本旅館 サービスと収益性の両立をした旅館業界

投稿日:2018年10月16日 更新日:




日本の旅館の素晴らしさを、世界に伝達する。
旅館らしい魅力をウリに、サービスと収益の両立を実現させる。
このことを叶えるツールとして、ウチの旅館で導入したのは、直前割引の旅館。
まずはサービス。
これはつまり、常に豊富なお客様と接し、場数をつみ、反復練習と定期的な専門トレーニングをする。

そのためには、賑わいのある旅館でなくちゃいけない
お客様が滅多にしか訪れない旅館でいては、サービスの向上なんて望むべくもない。
旅館の素晴らしさとは、まぁサービスとほぼイコールだけど、
ちゃんとお金がまわっている旅館であれば、内装も外装もメンテナンスできるし、
提供する食事やらお部屋やらにも、気を使うことができる。

良い循環にもっていくためには、つまり、いかに定期的に満室状態にするか、
それがキーになることをウチの旅館は認識していた。
それまでは、ウチの旅館は法人需要に収支面をほぼ依存していた。
法人需要を呼び込む工数は、個人需要の工数と同等。
そのくせ、単価が良く、数もあるため、売上が抜群に大きいので、美味しい顧客だった。
法人顧客の宿泊はもちろん、いかに宴会を獲得するか、
これが旅館の黒字に直結するキーワードだったのは、もう旅館業界の常識だったのだ。

ウチの旅館は早々にマインドチェンジし、そこに+αして、個人需要を掘り起こすべく、
直前割引の旅館として、もうひとつの刀を握ったのだ。
どうしても季節、経済、社会動向に左右される法人需要だけでは安定が保てないから、
それを補完するための個人需要、直前割引の旅館をアピールすることで、
常に満室状態をキープすることができた。

活性化された旅館は、おのずと品質が向上してゆき、人気の旅館として不動の位置を築いていった。
直前割引の旅館は羽ばたくよ、目の前の割引で一見損をしているように見えて、
実は長期的な利益を叩きだすのが、この直前割引の旅館なんだと、ウチの旅館は知っている。

直前割引の日本旅館

旅館が直前割引をしない、なんて、誰が作ったイメージなの
ホテルは直前割引を積極的にセールスしているけど、旅館は保守的だから、
無暗やたらに割引料金を出していない?

いえいえ、私はそんなことはないと思うよ。
だって、実は旅館の方が直前割引料金を出しやすい環境にあるの。
ホテルも旅館も、初期の設備投資費用がすごく高いのは誰もが想像できるでしょう。
建物の建築費用とかベッドやお風呂を新設したり、色々な室内調度品を準備したりね。
その初期投資費用を減価償却するのに、一般的には10年はかかると言われるのが
ホテルや旅館業界の常識となっているから。

裏を返せば、建築10年が経って、原価償却が終わったホテルや旅館は、
あとは料理の原材料費や人件費さえペイできれば、他は利益に回るだけってこと。
そんな旅館とかだったら、人気を出すために直前割引ができるよね、
だって原材料や人件費は、宿泊代の3-4割程度にしかならないのだから。
そうだよ、古い旅館ならば、そして、一般的にホテルよりも旅館が古い建物が多いことを考えれば、
ホテルなんかより旅館のほうがずっと直前割引料金をアピールできる環境が整っているじゃない。

詳しくは個別のホテルや旅館の経営状態に左右されるけど、絶対数でいったら、
ホテルより旅館の方が古くて直前割引を提供しやすいのだから。
問題は旅館のやる気と、インターネットサイトで販売することへの積極性だけね。
旅館の建物が古いのと一緒で、オーナーも古い方が多い(失礼)イメージだから、
インターネットを通じての直前割引料金の提供に抵抗感を示す人が多いことでしょう。
結局、環境は整っているのに、直前割引の旅館を意識する旅館オーナーのセンスで、
ホテルにひけを取っているのが旅館なのかしら。

旅館の顧客が、徐々にホテル側にシェアを奪われていっているのは事実だけど、
それって直前割引という果実に目覚めていない旅館側の怠慢から生まれたものだから。
さぁ、旅館の直前割引宿泊料金というニッチマーケットで、
私の活動は競合ライバルも少ない条件が整っているし、ひょっとしたら大化けして、
直前割引=旅館というイメージが出来上がるかもしれないね。

直前割引旅館

残念ながら、当日予約でウチの旅館に泊まりに来た方へ、
料金割引のメリット感を提供することはできないの。
巷じゃ、当日予約なら当日割引価格があるとかうたって、
当日予約をすすめる旅館もあるけれど、冷静に考えてみれば、
じゃぁ、何か月も前からウチの旅館に泊まるって計画して事前予約してきてくれた
お客さんのほうが、ウチの旅館に対するロイヤリティも高いでしょ。

だから、いくらなんでも当日予約のお客さんにだけ特別な割引をしちゃうと、
全体のシステムが狂ってきちゃう。
やっぱり、一番のメリットは事前割引してきてくれたお客さんに提供しなくちゃ、
公平性にも欠けるし、旅館側としても筋の通った対応とは言えないから。
でもこれは旅館側の理屈であって、当日予約をしてくる宿泊客側の
理屈ではないことも、私は心得ている。
とにかく当日予約、当日割引っていう言葉を出して、なんらか通常以上のメリットを獲得して、
ご自分の旅行を満足させるものにしたい、というのは素直な気持ちだから。

ウチの旅館じゃ、当日予約=決して深い割引をされた料金ではない、ということになるの。
ということは、宿泊単価が高いお客さん、つまり上客じゃないの。
だったら、当日予約だからじゃなくて、普通に宿泊単価が高いお客さん向けの
サービスをそのまま当てはめてあげればいいのよ。
それでウチの旅館は、当日予約の方へは、源泉掛け流しの露天風呂の
貸し切りサービスを無料提供することにしている。

お部屋のタイプを半露天付きの畳部屋にアップグレードしてあげたいけど、
こればっかりは当日の空室次第だから、事前ギャランティーできるものじゃないの。
ウチの旅館として、当日予約をしてくるお客様へ、事前確約できるのは
源泉掛け流しの露天風呂の貸し切りサービスの無料提供だけ。
それでもまぁ、結構なご好評をいただいているのは嬉しいこと。
やっぱり、大小はともかく、なんらかの特別対応をしてあげること
それが宿泊客の心を掴む方法なんだと、私はこの当日予約の件で、より痛感した気がしているのよ。

当日割引旅館

当日割引旅館で、あの憎きホテルどもに、一泡吹かせてやる!
旅館経営者の端くれとして、私の鼻息は荒く、旅館再生に向ける意気込みは確かなもの
いいかな、このジャパンにおいて、ホテル>旅館だと勘違いしていないかな?
勝手な思い込みじゃなく、ここは事実を数字で抑えておこうよ。
平成19年
旅館  52,000件(82万室)
ホテル  9,500件(76万室)
昭和63年
旅館  78,000件(102万室)
ホテル  4,500件( 34万室)

どうだね、この数字は?
だから、ジャパンにおいて、まだまだ、まだまだ、
ホテル<旅館という事実に揺らぎはないのだよ、キミ。
それはね、この20年の間に、ホテルの数は倍増し、旅館は倒産していった。
それでも宿泊客を受け入れる主役はまだ旅館、というのがジャパンの傾向。
旅館数の多さを武器に、私たちは旅館経営者協議会を通じて、旅館の中に当日割引制度を設けようとしている。

これでPUSH! PUSH!
なにがホテルだぁ、ここジャパンの土地で、横文字なんてクールでキャッチーで、羨ましさ100%じゃないか!
旅館復権に向け、当日割引旅館プロジェクトはもう止まらないさ。
あとちょい、いつの間にか、ジャパンに当日割引旅館が再生の狼煙をあげるから。

当日割引旅館

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