芝刈り機 アメリカ








「アメリカの芝刈り機がスポーツなんだ」と気付いた時から、私の心はすっかり軽くなり、空を飛ぶ心地になった。

面倒だなぁ、どんなに長くともまた2週間後には、我が家の庭に手押し芝刈り機を走らせるあの作業をしないといけないのね。

あれって1時間以上はかかる結構な重労働なのに。


春から秋の芝刈りシーズンがキライでキライで、いっそ人工芝でも植え付けてやろうかと

グングン伸びる青い植物を何処か憎んでいた。

でも不思議と近所のアメリカ人たちは楽しそうに夕方に芝刈り機を動かしている。

なんだか定期的な運動のように、近所の人たちとの社交の場のように。





そんなことを考えていたら、私はハッと閃いた。

芝刈りは面倒な作業ではなく、伸びるのを待ちわびてから取り掛かるレジャースポーツのひとつ、夏の楽しみなのだ!


毎日でも小まめに刈りたいのをグっと堪えて、ようやく背の伸ばした芝生で一遊び。

アメリカを代表するメジャースポーツなのね、芝刈りは。

重機を使った機械遊び、刈った後のあの特有の芝の香り。

分かる、分かる(分からないけど・・・)。


真夏なら陽が落ちた8時ぐらいに、ハーフパンツで汗かきながら芝刈り機の音をさせて芝刈りを楽しむアメリカの隣人たち。

こんな歪んだ心理も、あながちアメリカ人の心底にはちらりとほろりと潜んでいるのではないか。

ホームデポとかに行ってみれば並んでいる数多くの芝刈り機、中でもRiding Mowerが一番優れていて高くて、

次のPushing Mowerはピンキリで、できることも値段も分かれる。





メカ好きの男の子たちにはたまらないのでしょう。

まぁ、銃とかに目をキラキラさせているアメリカ人よりも芝刈り機の性能にこだわる人の方がずっと平和だけどね。

そうしてアメリカでは芝刈り機ですらEnjoyする心がないと、一戸建てには住むのは辛い。


プロの芝刈り屋さんにアウトソースするか、近所の子供に$20ぐらいあげてバイトしてもらえばいいけど、

そっちもそれで何だかなぁって感じだし。

はぁ、広いアメリカの家に住む夢、そこにオマケでついてきた重い労働ね、芝刈りってやつ

芝刈り機に向き合うことなくして、アメリカの田舎暮らしは語れず。