直前割引ホテル








いかに直前予約に対応できるホテルになるか

それが私のホテルチェーンビジネスのキーになることは分かっていた。

奈良という観光都市に低価格で清潔なホテルを幾つも展開する、その最初には世界や日本につながる特別な武器はない。

だから、自分たちで作れる強みを武器に、ホテルを拡大していくしかないのだ。


私のホテルの武器とは何か。

わずか15のホテル、200名たらずの社員たち。

特別なブランドはないし、強力な提携先があるわけでも、頼れる後ろ盾があるわけでもない。

あるのは社長である私をトップに、一丸となって動ける身軽な体制と、やる気に満ち溢れた社員たち。

そもそも、ホテルの武器とは何かを考えてみたとき、コンピューター予約管理システムだと気が付いた


CRS(Computer Reservation System)と呼ばれたものは、

1970年代にまずは航空券の予約発券から始まって、航空会社や旅行会社が導入し、

次第にそれがレンタカーや列車、そしてホテルの予約もできるようになった。


旅行業界のシステムは、いつしか世界をまたがっても予約できるようになり、

それはGDS(Global Distribution System)と呼ばれ、急速にITが導入されたことで、

旅行業界のみならず、航空業界も、宿泊業界も効率化されていった。





ホテルというと、人力イメージが強いが、70年代後半にはフロントにシステムが導入され、

当日の宿泊の部屋割が自動化されている。


それまでは、「あの部屋が一番良いから、その日の一番良い宿泊客に提供しよう」

「あんな部屋に泊めたら文句言われるから、最後の最後まで残しておこう」

というスタッフのクセで、ホテルの部屋の痛み具合がまちまちで、ホテル全体の改修のめどが立ちにくかった。


ホテルの手間だって、宿泊予約システムによって簡素化されている。

顕著な例が、請求書などの作成作業だな。

それまでは夜にチェックインを受け付けてから翌朝のチェックアウトまで、

深夜の時間帯が一番忙しい事務処理時間だったのに、宿泊予約管理システムによって

一気に簡素化され、その分低コストができるようになったから、一時のホテル急増現状につながったと思う。


そう、ホテルの武器はIT、コンピューターによる宿泊予約システム。

それによって、宿泊客には分かりやすい予約体制を提供できるし、

ホテル側としても最少人員での管理ができるようになり、そこで浮いた分だけ、

安価な宿泊料金を顧客に提供することができるのだから。


いかに直前予約に対応できるホテルにしよう。

あるべき姿は、いつでも、宿泊客が、インターネット上で、直前予約割引を、簡単に予約できるっていうことだ。